ネガティブな気持ちをコントロールするための1つの方法は,まずは自分の感情を分析し,どんなネガティブな感情を抱いているのかを見極めることです。
まだコロナの影響が心配でしょうか?仕事の保証が心配ですか?子供たちの学校のことが気になりますか?今の世の中,消極的な要素が本当に多いですね。
次に行えるのは,強いてネガティブな考えを正すよう努めることです。例えば,『こんな状況で何にもできない』という思いを,『ほかの人も自分と同じに違いない。うまくやれることもあれば失敗もすることもあるんだ。当然気落ちしたりがっかりすることもある』と気持ちを切り換えるのです。
だからと言って,すぐに楽観的になれるわけではありません。生まれ持った性格や育った環境は人それぞれ違うからです。また,いつまでもそのことを頭の中でぐるぐる同じことを考え続けないようにしましょう。いったんポジティブな考えに置き換えたら,さあ,次のステップに移りましょう。
そのステップとは,問題や気になっている考えを頭の中から締め出すようにすることです。イメージとして,頭の中の自分が考えている割合を思い描いてください。積極的な考え方と消極的な考え方の割合はどれくらいですか?7:3でネガティブな考えが占めていますか?そうしたら,その比率をポジティブな考えが占める割合を大きくしていくように,そうした考えを力強く,確信を込めて押し出すよう努力します。これがなかなか難しいのですが,実は次のことを行うことが役立ちます。
最後の段階です。それは,何かほかの事,それもポジティブな事柄に没頭することです。
これはとても大切なことです。ネガティブな考えというものは,何度も何度も頭の中に舞い戻ろうとします。
しかし,人間の脳には有利な事があります。それは,人は一度に一つのことにしか注意を十分に集中することはできないという点です。
同時に2つの物事に完全に注意を集中できるかどうか,どうぞ試してみてください。何かに没頭していると,ほかのことを忘れてしまい,時間があっという間に過ぎてしまったという経験はありませんか?
そのような感情で頭の中が一杯になっていれば,ネガティブな考えが戻ってくることは少なくなっていきます。
消極的な考えを積極的な考えに置き換える方法を,ある博士はこう説明しました。「レコードプレーヤーから嫌いな曲が流れている場合,プレーヤーに無理やりもっと良い音を出させようとはしない。……レコード盤を替えるだけで,違う曲が流れてくる。あなた自身の内部にあるプレーヤーから流れてくる“曲”にも同じ手法を用いなさい」。
レコード盤は少し古い表現ですが,嫌な曲が流れていたら,次の曲に早送りしたり,ラジオの放送局を変えたり,全く違うことをしたりと,違うことに置き換えることによって,無理にでも押し出してみましょう。
感情をチェンジすることが上手にできるようになれば,深く思い悩んだり,落ち込んだり,自分にはどうしようもできない事柄で悲しくなったりすることを避けられることでしょう!